【まとめ】わかりやすい心電図の良本。用途別に紹介します
心電図に興味がある看護師さんは多いですが、それと同時にどこか苦手意識を感じる人は多くいるはず。心電図の勉強はしてみたいけど、正直どれを選べば良いのかわからない・・・と悩む看護師さん向けの記事です。
悩む人が多いのは毎年多くの心電図の医学書が出版されているのも理由の一つだとと思っています。看護師向け、医師向けであったりと内容の難易度も異なりますが、自分にあっている本を探すのは大変です。
そんなわけで私が今まで読んできてわかりやすいと思った心電図の医学書を中心に紹介していきます。心電図の医学書選びに悩んでいる人の少しでも参考になれば幸いです。
【まとめ】わかりやすい心電図の良本。用途別に看護師が紹介します
私は心電図の医学書が大好きな看護師です。心電図が好きすぎて心電図検定を取得することも出来ました。
そんなわけでこれまでも何度か心電図の医学書を購入しては、たまに紹介しています。そんな今まで読んできた心電図の医学書をまとめた記事です。
心電図の医学書を大きくわけて下記の6つに分類して紹介します。
①心電図ポケットブック(病棟ですぐ開いて使用出来る)
②モニター心電図の判読と読み方
③12誘導心電図の判読と読み方
④ペースメーカーについて知りたい
⑤もっと奥深い心電図を学びたい方向け
⑥【番外編】ゲームで学ぶ心電図
用途別に分けているので、自身の参考になる部分だけ読んで頂ければ幸いです。
①心電図ポケットブック(病棟ですぐ開いて使用出来る)
『ねじ子とパン太郎のモニター心電図 改訂版(ナース専科ポケットブックシリーズ4)』
はやくも第3版です。私はもう同じ本をこれで3冊目の購入です、それくらいお世話になっている医学書です。
①ポケットブックであり、すぐに手に取りやすい
②不整脈が出たときにすぐに波形を調べることが出来る
③少しずつ厚みが出てきましたが、改訂する毎に内容が充実する
これがメリットです。特に臨床で働く看護師さんにとっては①、②が大事で、わからないときにすぐ調べられる医学書は必須ですよね(自身の心の安定を含めて)
コラムの内容は心電図を詳しく知りたい人向けの内容であり、とても参考になります。心電図を扱う病棟の看護師の皆さまにおすすめです。
②モニター心電図の判読と読み方
『看護の現場ですぐに役立つモニター心電図 (ナースのためのスキルアップノート) 』
循環器病棟に配属された新人看護師さん、または心電図が苦手で敬遠していた看護師さんにおすすめです。
他の心電図入門書との違いとして、医師への報告例が記入されているところがポイント。そしてモニター心電図判読が中心に書かれています。
心電図判読で挫折する原因の一つには12誘導心電図の判読があると思います。しかし実際の臨床で多く関わるのはモニター心電図です。まずはモニター心電図を知りたいと考える人にはオススメの医学書です。
病棟でモニター心電図を読むことの多い看護師さんの最初の1冊としてどうでしょうか。もし気になる方がいましたら下記の記事を参照してみてください。
③12誘導心電図の判読と読み方
『3秒で心電図を読む本』
モニター心電図の判読に慣れたけど、12誘導心電図判読もしてみたい。だけど【読み方】がわからない・・・と言う方にオススメの心電図本です。
『3秒で心電図を読む本』とタイトルだけだと、3秒?に目線が行きがちですが、あくまで12誘導心電図の【読み方】の本です。
その【読み方】についてほぼ全編書かれているので、もし心電図の内容を細かく知りたいと言う方には不向きです。
山下武志先生の12誘導心電図判読。「視点」「目線」を学んでみませんか?もし興味ある方は下記の記事を参照してみてください。
『これならわかる! 心電図の読み方~モニターから12誘導まで~ (ナースのための基礎BOOK)』
12誘導心電図を深く学びたい方向けです。主に12誘導心電図の読み方が細かく記載されており、循環器内科病棟や心電図を多く扱う病棟の人にオススメです。
個人的にこの医学書の凄いところは、基本波形を読み取るの項目のみで、P波・QRS波・ST部分・T波・U波・QT間隔からわかること、と細かく分類されていることです。
ちなみに細かく記載されていても、内容はわかりやすく書かれています。それは心電図画像やイラストが豊富だからです。
ただ内容が細かいことが利点でもあり、そんなに心電図のことを細かく知りたいわけでもない人にとっては欠点でもあると思うので好みのわかれる1冊かもしれません。
ちなみに心電図の医学書は高い、と思われている方には非常にオススメです。このボリュームと内容でこの値段は安いですよ(看護師目線で大事な部分)
『レジデントのためのこれだけ心電図』
レジデント向けと書かれていますが、看護師さんにもオススメの本です。
この心電図の医学書。まず最初に心電図を読む前に知っておくべきことを学びます(おすすめしない勉強法・早くから学ぶべきだったこと・(できる人は無意識に行っている)心電図の分類)その後に緊急性のある不整脈から説明が始まります。
緊急性のある不整脈から学べることで臨床に活かしやすい利点があります。そして不整脈を理解したところで虚血性心疾患、脚ブロックや12誘導心電図の読み方なども後半の頁から学べます。
欠点としては心電図を細かく学びたい人(循環器が好き過ぎて色々なことを知りたい人)にとっては不向きかもしれません。心電図の成り立ちや基本的な部分からしっかり学ばないとと気が済まない・・・と考える人です。
とにかく心電図は成り立ちから勉強だ!細かく勉強しよう!と意気込んでいた時期が私にもありました。今はその気持ちがなくなりました。
もし気になる方がいましたら、下記も参考にして頂ければ幸いです。
④ペースメーカーについて知りたい
『個人授業 心臓ペースメーカー―適応判断から手術・術後管理まで』
タイトル通りで心臓ペースメーカーの適応から手術、術後管理まで、とにかくペースメーカーについて詳しく書かれた医学書です。ペースメーカーに特化しているので、ある程度上記で紹介した心電図本で勉強した後に読む方が理解がしやすいです。
この医学書はベテラン医師と若手医師の対話形式で話が進みます。難しい内容も対話形式でわかりやすくは書かれていますが・・・もう難しいんですよ、心内心電図なんぞ関わったことないですし、モードの設定の意味だったりパニックです。
それでも全てを理解出来なくても一読するとペースメーカーについて詳しくなれます。ただここまで専門的知識が看護師の臨床で必要かと言われると、そうでもないと思っています。
そんなわけで知識としてペースメーカーについて詳しくなりたい方にオススメです。
『看護師・検査技師・研修医のためのペースメーカー心電図が好きになる!』
上記で紹介した『個人授業 心臓ペースメーカー―適応判断から手術・術後管理まで』がペースメーカーの一連の流れを全て学ぶ医学書だとしたら、こちらの医学書はペースメーカー心電図の読み方に焦点が当たっています。
ペースメーカー心電図の読み方と言うことで、用語の説明が豊富です。例えば心房頻拍応答機能、ヒステリシス、スリーピングレート等と言ったペースメーカー用語を耳にしたことがある方向けです。
AAI、VVI、DDDと言った基本的な部分は知っているけど、ペースメーカー手帳に書かれている用語については良くわからない。ペースメーカー埋め込みの方のモニター心電図上で、あれ?これいつもと違うけど、なにこれ?と疑問に思ったことがある方。
ある程度、この医学書で解決出来るはずです。そんなペースメーカーについて詳しくなりたい方にオススメな本です。
⑤もっと知りたい奥深い心電図
『実力心電図 – 「読める」のその先へ』
心電図が好きになったので、もう少し色々な知識が欲しい人向けです。心電図最初の一歩としては不適であり、心電図の辞書的な医学書です。
一般的な心電図から病棟勤務ではそう見られないような心電図(先天性、WPW、LGLなど)まで幅広く解説が載っています。
不整脈の種類と12誘導心電図は勿論のことで、他に着目すべき心電図所見、判読のポイント、発生のメカニズム、鑑別を要する心電図、とマニアックな知識が満載です。
私は心電図検定受験者と言う前提でしたが、心電図検定公式問題集は解説が比較的あっさりしているところもあり、それを補足する意味合いで購入して良かったと思います。
値段が高額なので一度本屋で内容を確認して購入することをお勧めします。似たような本としては他にも色々ありますし、心電図知識を深める為には自分がわかりやすい本が一番良いですよ。気になる方がいましたら下記を参照してみてください。
『上級医がやっている 危ない心電図の見分け方』
主に12誘導心電図の判読をメインに書かれています。築島先生がどのようなポイントで12誘導心電図を判読しているかがわかります。
研修医向けの本ですが、看護師が読んでも問題ないと思います。患者の主訴と12誘導心電図からここまで色々なことがわかるのか、と読んでいて勉強になります。Q&A方式なので自分で考えた答えがあっているのかも、自身の力試しになるところ。
ただし、この医学書はある程度12誘導心電図判読にも慣れて、かつ心電図用語も頭に入っている前提で読むことをオススメします。
実際に本書がどのような雰囲気なのかは、築島先生のブログを見るとわかります。純粋に心電図をもっと勉強したい方には、この医学書と築島先生のブログの両方をおすすめします。
気になる方は下記も参照してみてください。築島先生のブログです。
⑥【番外編】ゲームで学ぶ心電図
らくらく心電図トレーニングDS(ゲームソフト)
以前別記事にて紹介しましたが心電図検定対策で購入したゲームです。本ではないですが、為になるので紹介してみます。
このゲームの何が良いと言いますと
①モニター心電図の判読の勉強になること
②ドリルの形式なので正解率を高める為に頑張れる
私の弱点は頻脈の読み方でしたね。何度も同じ問題を問われました。
注意したいところはこのゲームは、ある程度心電図知識があることが前提条件なところでしょうか。このゲームが心電図の入り口で購入した人がいるなら、きっと挫折すると思います。
気になる方は下記も参照して頂ければと思います。
あなたにあった心電図の医学書が一冊でも見つかることをお祈りします
おおまかに分けたつもりですが、多く紹介しすぎて結局悩ませてしまったかもしれません。
そんなわけで自分の働く病棟で、モニター心電図判読が求められるのか12誘導心電図判読が求められるかによっては購入する本のタイプも異なるはずです。
もしこの記事で紹介した中に、自身の参考になる医学書に出会うことが出来たらとても嬉しく思います。
今回紹介した心電図の医学書のまとめ
看護の現場ですぐに役立つモニター心電図 (ナースのためのスキルアップノート)
これならわかる! 心電図の読み方~モニターから12誘導まで~ (ナースのための基礎BOOK)
個人授業 心臓ペースメーカー―適応判断から手術・術後管理まで
以上。まる(@maru02ns)でした。
https://www.ns-maru02.com/entry/2016-11-06-212543