心房細動と心房粗動の略語。afとAF / AFとAFL 【小文字・大文字の混在、使い分け編】心電図用語について考える
看護記録に心房細動のことを【AF】と書くと上記のような出来事がありました。これは小文字・大文字論争の弊害です。
そんなわけで心房細動と心房粗動の言葉の使い方の記事です。意外と大事ですけど、病院ルールによって記載が異なるのも事実です。
そして世にはびこるインターネット記事でも、ごちゃごちゃになっていることがしばしばあります。
ではでは、知っていれば意外と便利だと思うので紹介していきます。
心房細動と心房粗動の略語。afとAF / AFとAFL の使い分け方?
最初に紹介したのが同僚看護師との会話でした。確かに略語で使用すると、使い分けがややこしいのが心房細動と心房粗動です。
細かい意味合いは無視して、心房細動と心房粗動は似ている兄弟みたいなものと表現されることもあります。
そんな兄弟みたいな不整脈の言葉の使い方を少し考えてみます
心房細動と心房粗動の呼び方や略語をとにかく考えてみる
以下にて呼び名と記録方法を考えていきます。
*最終的には病院ルールに従うのが基本ですので、あくまで参考程度にお願いします
心房細動と心房粗動を呼び名で考えてみる
心房細動⇒「エーエフ」「atrial fibrillation」
心房粗動⇒「フラッター」「atrial flutter」
明らかに違うので言葉で伝えるなら区別が可能ですね。
心房細動と心房粗動を記録方法で考えてみる
心房細動⇒「af, AF, Afib」
心房粗動⇒「AF , AFL」
あれ?AFが被ってませんか?
心房細動と心房粗動は記録で書くとAFが被っている・・・
被っていながらも使い分けをしないといけません。そんなわけで分けてみます。
①心房細動【af】心房粗動【AF】
②心房細動【AF】心房粗動【AFL】
今まで経験した病院では上記2パターンで記録が書かれています。
最近の主流は②のパターンです。理由としては日本循環器学会の循環器用語集に書かれている為です。
参考URL:循環器学用語集
もしインターネットで心房細動と心房粗動の略語が書かれているときは、日本語表記を確認すると良いと思います。
心房細動の略語についてもう少し詳しく考えてみます
以前にこのような記事も作成しました。
過去記事:Paf(発作性心房細動)になったので指示をください?心電図用語について考える
心房細動は略語一つとっても種類が多いですし、細かく分けると使い方がややこしいです。
そんなわけで今回は心房細動の略語紹介記事なので、以下でもう少し詳しく説明していきます。マニアックな知識が必要な方向けです。
心房細動の略語は意外と多いです
そんなわけで略語紹介です。
医師記録に記載してある心房細動略語集
①自然に治まる。発症後7日以内(多くは48時間以内)に洞調律に戻る
発作性心房細動 【Paf】「paroxysmal af」
②自然停止なし。発症後7日を超えて持続。電気的、薬物的除細動で治まる
持続性心房細動 【Paf】「persistent af」
③自然停止なし。電気的、薬物的除細動が不能なもの
永続性心房細動 【Paf】「permanet af」
④自然停止なし。電気的、薬物的除細動が不能なもの
慢性心房細動 【C-af】 「chronic af」
⑤上記の③-④をまとめて、およそ1年以上持続した心房細動
長期持続性心房細動 Long-Standing Persistent AF
こんなに心房細動だけで言葉があると使い分けるのも難しい気がします。ややこしいのは①-③を見て頂きますと、略語は全て【Paf】なのです。
看護師が病棟で使用するなら①の意味合いで【Paf】を使うことが多いですが、意味合いが異なる心房細動もあることを豆知識で覚えて頂ければ幸いです。
略語一つでも、ややこしい心房細動・心房粗動です
不整脈の王様と呼ばれる絶対不整の心房細動様。病棟での遭遇率も多いですよね。
心房細動については医学書で調べることも、ネットで検索されること多いと思いますので小文字・大文字には気を付けてください。
最後ですが、この記事が理解の助けに少しでもなれば幸いです。以上。まる(@maru02ns)でした。