カテコラミン持続点滴中の並列交換(ダブル交換)。2台同量法の紹介
私も最初は良くわかりませんでした。それでも先輩に教わってから、少しずつ行うことが出来るようになりました。
とりあえず基本はフラッシュしないこと、微量で効果が発揮される点滴なので要注意です。以下、方法についての記事です。
カテコラミン持続点滴中の並列交換。2台同量法のやり方の紹介
2台のシリンジポンプを使用しながら、交換することで血中濃度を維持し、循環動態の変動を抑えながらシリンジを交換する方法のこと。
ダブル交換や並列交換等と呼び方は様々で、病棟ルールもあると思います。今回の記事は参考までに載せさせて頂きます。
2台同量法の手順
*画像がありません。言葉で説明するのでわかり辛い点もありますがご了承ください。
①新シリンジをシリンジポンプにセットします
早送りでプライミングします。シリンジポンプの押し子の遊びをしっかりとなくします。
②シリンジポンプの空運転をします
患者へ接続しないまま、1ml/h程度で開始し空運転していきます。
③シリンジポンプの空運転開始後、30分待ちます
30分経過したら、新シリンジの先端を三方活栓(旧シリンジで持続点滴中の患者のライン)に接続します。
*何故30分待つのか?
シリンジポンプの流量安定の為と言われております。
④シリンジポンプ流量設定後に開始します
接続した新シリンジを流量1ml/hで開始します
(大体は1mlスタートですが、病棟の先輩に確認のお願いします)
その5分後に旧シリンジの流量1ml/h(新シリンジ開始量と同じが目安)減量します。
⑤血圧を見ながら流量を変更していきます
数分毎に血圧をみながら、新シリンジ流量をUP、旧シリンジ流量をDOWNさせていきます。
大事なのは新シリンジと旧シリンジの総和が元の流量になるようにしていきます。
例として元々流量が3ml/h投与が前提として
・新シリンジの流量が1ml/hのとき、旧シリンジの流量は2ml/hへ
・新シリンジの流量が2ml/hのとき、旧シリンジの流量が1ml/hへ
等と総和を揃えていきます。
⑥元の投与量まで新シリンジの流量が到達したとき
元の投与量まで到達したら、旧シリンジポンプの三方活栓をロックしてから旧シリンジの接続を外します。サイフォニング現象を防止するためにロックを先にします。
ダブル交換中は血圧を5分毎にセットするなどして、循環動態の変動に注意していきます。
2台同量法でのシリンジ交換時の注意点とは?
以下簡単に注意点を紹介していきます。
①活動範囲に合わせてラインの長さを考慮します
エクステンションは耳元から通し、三方活栓を操作をしないで寝巻きを着脱出来るようにします。
②同一ラインの薬剤に注意します
カテコールアミン製剤と同一ラインに接続されている薬剤はカテコールアミン製剤でなくても2台同量法で交換します。
製剤自体が循環動態を変化させるものでなくても、同一ラインで流れていることで交換時にラインの流量変化を来してしまう為です。
③高さ合わせをしっかりと合わせます
シリンジの高さはなるべく接続ラインと合わせ、圧格差から流量変化に注意します。
まとめ
以上、勤務先某病院のマニュアルを参考にさせて頂きました。
主に私の勤務先では心不全治療時に使用していました。一般病棟なので勿論Aラインはなく、血圧計を腕に巻いて図っていました。
ちなみに勤務先でカテコラミン持続点滴中の点滴交換で、2台同量法を実施する場合はカテコラミン3γ以上 or 5γ以上と病院によって差はあると思います。
その辺は先輩に相談して実施するようお願いします。