PVCショートラン?VT?NSVT?SVT?心電図の心室頻拍は難しい。心電図用語について考える
?マークの多いタイトルにしてみました。もしタイトルにピンと来た方は循環器系に配属された看護師さんor循環器に携わる人かと考えます。
心室頻拍の略語は医師記録に書かれていますけど、読み解く看護師の気持ちは考慮されていませんよね。
看護師がその言葉を少しでも理解出来れば、臨床でも役立つことが出来るかなと考えました。そんなわけで今回は心室頻拍の言葉の使い方について説明していきます。
あくまで用語の説明です。疾患や治療的側面は専門書を参考にしてください
PVCショートラン?VT?NSVT?SVT?全て心電図の心室頻拍に関わる言葉です
心室頻拍の用語を読み解く為には、まずPVC(or VPC)を知ることは重要です。PVC(or VPC)とは心室性期外収縮の略語です。
心室性期外収縮について今回は詳細は説明しません。興味のある方は下記を参考にしてみてください。
循環器用語ハンドブック(WEB版) 心室[性]期外収縮 | 医療関係者向け情報 トーアエイヨー
そんなわけで心室期外収縮(PVC)をベースにした用語の説明をしていきます。
最初は心室期外収縮(PVC)の数を見る。その後は時間で用語を使い分ける
PVCショートラン?VT?NSVT?SVT?の使い分けは心室性期外収縮(PVC)を基準にして考えます。
心室性期外収縮(PVC)を基準にして用語を使い分ける
PVC2連発 = PVCペア
PVC3連発~4連発(or 5連発) = PVCショートラン
PVC5連発以上 = VT(心室頻拍)
PVC5連発以上、30秒未満で治まる = NSVT(非持続性心室頻拍)
PVC5連発以上、30秒以上で治まる = SVT(持続性心室頻拍)
ポイントとして基本は心室期外収縮(PVC)の数です。そして数が多くなると時間が重要視されます。
ちなみに表現の仕方については上記で説明しましたが、大事な点が2点あります。
①看護記録として略語を記載する場合は病棟ルールに従ってください
②心室頻拍の言葉の使い方は文献により差があります。ご了承ください
上記の注意点を参考にしながら臨床で心電図用語の活用をして頂ければ幸いです。
心室頻拍の言葉の使い方のまとめ
心室期外収縮(PVC)の補足説明。心電図モニター監視中の不整脈アラーム。その英語の意味?
上記は主に心室頻拍(VT)で使用される用語を説明しました。では心室期外収縮(PVC)についてもう少し詳しく説明します。
モニター心電図で心拍を監視している際に不整脈アラームが鳴りますよね。そのアラームを確認すると英語が書かれているはず。
その英語の意味を知っておくと、なんで不整脈アラームが作動したかを見分けることが出来ます。
不整脈アラームPVC(心室性期外収縮)に関わる英語のみ抜粋
Couplet = PVC2連発
RUN = PVC○連発(○は3以降の数字が該当)
Bigeminy = PVC2段脈
Trigeminy = PVC3段脈
frequent = PVC頻発
心電図波形だけでなく、せっかくなので表示されている英語も理解しておくと臨床では役立ちます。
もし英語と心電図波形の内容が相違している場合は、ノイズなど影響があるかもしれません。なので英語に頼りつつも、心電図波形もしっかり見ていきましょう。
不整脈アラーム(PVCに関わる抜粋)のまとめ
心室頻拍出現。医師にどうやって報告すれば正確に伝わるのか
医師への報告は緊張もしますし、間違ったことも言えないですよね。だからこそ正確に不整脈については伝えたいところ。
心室頻拍は表現方法が多いので、医師に報告する側の看護師の立場として困った経験はありませんか?私はあります。なので少し報告について考えてみました。
看護師が心室頻拍について伝える報告例
この表現は医師に報告する際に少なからず聞いたことがあると思います。
ただこれだけの表現だと、本当に短い秒数のVTなのか、長い秒数のVTなのかがわかりません。そして○○連発と数を数えるのも地味に大変です。
それではどうやって伝えるのかを考えたときに、心室頻拍について色々な表現の仕方を知っていると便利です。
修正する前に比べると、少し状況がはっきりとしたはず。そんなわけで心電図用語の言葉の使い方を知ると医師への報告にも便利です。
実際に医師への報告に使用しているのはVT○連発?○秒のNSVT?
循環器病棟で働いていますが、医師に報告する際にNSVTを使用する人は少ないです(当院調べ)
心電図用語の使い方は病棟によりけりですが、VT○連発でも○秒程度のNSVTでも根本的には不整脈の内容が医師に伝われば何でも良いはず。
ただその伝え方一つでも色々な表現が出来ることは心室頻拍の奥深いところです。
心室頻拍の一つをとっても用語が多いです。心電図は奥深い
私も最初は心室頻拍(VT)が出現した際は、記録用紙に印字して何個出現しているのかを数えていました。例え数が多くてもです。
それには理由があって病棟で報告するときはVT○連発と報告するルールがあったからです。
ちなみに不整脈関連は看護師として医師に報告する場面は多いはず。勝手に様子観察ではなく、正確に報告をしないことには危険な不整脈を見逃すことに繋がりかねませんので要注意です。
どうしてQRSは幅広いの?出現すると患者様にどんな危険性がある?等の心室頻拍についての大事なところには今回触れていません。あくまで用語の使い方に終始してみました。
もし検索で辿り着いた方がいましたら、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。以上。まる(@maru02ns)でした。