NSRとSRの違いは何ですか?心電図の正常洞調律、洞調律、サイナスリズムについて
先輩によく聞かれるシリーズですかね。自分はNSR一派です。ちなみ職場では SR or サイナスと電子カルテに記入している人の方が多い印象。
そんなわけで今回は簡単にですが、両者の違いについて記事です。
あくまで言葉による違いを紹介する記事なので、本来の洞調律の意義や詳細については触れていません
NSRとSRの違いは何か?洞調律は一緒です
最初に答えを伝えますがほぼ同一の意味合いです。
SR : 洞調律
NSR : 正常洞調律
上記の通りで、正常がつくかつかないかの差です。知っておくと便利ですが、病院の略語ルールに合わせて記入するのが一番良いです。言葉のルールは病院毎に微妙に異なるものです。
例)PVC(心室期外収縮)の単発、散発、頻発、多発の言葉の使い方
NSRとSRのどちらを使用した方が良いのか?
ここまで拘る方はいないと思いますが、ほぼ同一の意味合いなのでどちらを使用しても意味は通じます。
ちなみに当院の電子カルテには、HRの項目にサイナスと書かれた選択肢もあります。なので書き方は違えど、SR、NSR、サイナス、のどれかを記入しておけば間違いないです。
ちなみになんでNSRと看護記録に残すかと言いますと、以前の病院で色々と教えてくれた医師がNSRと記録に書いていたからです。ただの真似っこです。
洞調律の言葉の使い方。洞性徐脈の場合は SR Brady ? NSR Brady ?
NSRとSRの違いを書いているので、少しだけ別な視点から言葉の使い方を考えてみます。
例えば洞性徐脈の場合だったらどうなのか?を考えてみました。先程のNSRとSRのことを考えると、NSR Bradyでも良いのでは?と疑問に思う方もいるはず。
ただ、洞性徐脈では正常と言う言葉はついていないことを考慮すると・・・
SR Brady : sinus bradycardia = 洞性徐脈
徐脈の英語の成り立ちを考えると、SR Bradyが無難と考えます。NSR Brady (正常洞性徐脈)にはならないわけです。
SR Bradyではなく、あえてHR30-40台SRと看護記録に残すこと
洞性徐脈について知りたい方は下記を参照お願いします。
洞不全症候群 (Sick Sinus Syndrome SSS) – 日本不整脈心電学会
何故記録するにあたってベースレートを気にするかと言いますと、普段どれくらいの徐脈なのかの程度は記録に残しておかないと、別な同僚が見たときわからないからです。
そんなわけで私は徐脈の程度がわかるようにHR○○台SRとあえて書きます。細かいかもしれませんが、大事なポイントです。
ちなみに何故なのか頻脈より徐脈の方が見た目のインパクトがあるのか、患者さんのところへ訪室するまでの時間は早いように思えます(当院調べ)
【正常洞調律と洞調律】言葉の違いについて紹介しました
NSRとSRの違いは正常がつくかつかないかの違いです。使用方法は病院略語集を参考に使用してください。
そして徐脈、頻脈の場合は英語的にも正常はつかないので、NSRでなくSR(サイナス)が無難です。
検索でこの記事に辿り着いた方へ。少しでも理解の助けになれば幸いです。以上。まる(@maru02ns)でした。
今回の記事で引用した心電図本です。わかりやすくてオススメですよ