変行伝導とは?心房細動や上室性期外収縮で起こる心電図上の変化(PACに伴う変行伝導編)
先輩看護師から変行伝導って言葉を聞いたことある人や、なんとなく変行伝導と言う言葉を知りたい人向けの記事です。
心電図の奥深いところですが、最初に述べた通り別に知らなくても看護は出来ます。
私は看護師1年目で先輩に変行伝導を問われ、まったく意味がわからず挫折。今思えば看護師1年目に変行伝導を問う方がおかしいと思います。笑
ではでは変行伝導の意味と、どんなときに起こるのかを看護師として知っておくべき範囲で紹介したいと思います。
変行伝導とは?心房細動や上室性期外収縮で起こる心電図上の変化
ここでは看護師として知っておくべき範囲での紹介なので、詳細な定義は以下を参照してみてください。
循環器用語ハンドブック(WEB版) 心室内変行伝導 | 医療関係者向け情報 トーアエイヨー
クリックすると難しい言葉の羅列ですね。心電図が嫌われる理由がわかります。
では少しずつ説明をしていきます。
看護師が知っておくべきところだけの変行伝導とは?
変行伝導とは?
・心臓に備わった機能的な障害で起こる現象。変行伝導自体は悪くない。
・とある条件下で起こりうるQRSの変化(幅狭い⇒幅広い)
細かい諸条件はありますが、これだけで十分です。
*理解を助ける為に不応期の説明も必要ですが、今回は省略しています
とある条件下は大まかに分けると3つ
そんなわけで変行伝導で大事なのはとある条件下です。
とある条件下とは?
①上室性期外収縮(主に心房性期外収縮(PAC or APC)に伴う変行伝導
②心房細動(AF or af)に伴う変行伝導
③上室性頻拍に伴う変行伝導
上記①-③の場合で変行伝導は起こりうると思ってください。
主に①が有名ですので、今回は①を中心に説明します。
上室性期外収縮(主にPAC)に伴う変行伝導とは?
そんなわけで上記の①の条件下で起こり得るQRSの変化を見ます。
本来PACは刺激伝導路の関係上、幅の狭いQRSが出現します。一般的にモニター心電図を観察していると、PACは良くみられる不整脈です。
しかし、ごく稀に先行P波が伴っているのに、何故か幅広いQRSが出現していることがあります。PACに伴う変行伝導が起きている状態です。
この現場感覚です。なので出現していてもスルーされることが多いのです。
上室性期外収縮(主にPAC)に伴う変行伝導のまとめ
ざっくりしたまとめは以下です。
条件下⇒PAC
QRSの変化⇒本来の幅狭いQRSから、幅広QRSが出現していた
以上であれば、PACに伴う変行伝導と捉えましょう。
もう少し上室性期外収縮(PAC)に伴う変行伝導を深く掘り下げると
じゃあ変行伝導はモニター心電図が観察できるのか?と言う話です
・モニター心電図でも発見出来ますが、推奨されている誘導はV1,V2誘導です。怪しいと思ったら12誘導心電図でチェックする
・V1,V2誘導でのPACに伴う変行伝導は右脚ブロックの形が多い
この2点がポイントです。本来は12誘導心電図で確認するところなのです。
モニター心電図を見ながら
私は看護師1年目に先輩看護師から言われたことがあります。当時、私は変行伝導がわかっていませんでした。
当時の先輩看護師がそこまで考えて言い切っていたのだろうか、本当に変行伝導の使いどころは難しいです。
上室性期外収縮(PAC)に伴う変行伝導に危険性はあるのか?と言う大事な視点
最初に述べましたが、変行伝導自体は悪くないのです。と言うことはPACが出現しているだけと言うことです。
何故そうなるのかの細かいこと(不応期の関係)は抜きにしてますが、看護師として対処する為にはこれくらい割り切って良いように思えます。
心電図の変行伝導は難しいですけど、ざっくりポイントだけ知りたいところ
どうしても難しくなる変行伝導の説明ですが、少しでも理解の助けになればと考えて記事にしてみました。
今回記事で内容に物足りない方や、益々変行伝導に興味が出た方がいましたら他の成書なりで調べてみると、より理解が深まり楽しいと思います。
この記事が心電図理解の助けに少しでもなれば幸いです。以上。まる(@maru02ns)でした。