『ほぼ初めての心電図:最初はここからはじまります』を看護師が読みました
転職に向けて動き出した看護師まるです。もうかれこれ職場で心電図に携わる機会もなく、かなり忘れている私です。
だからこそ初心に帰って心電図の勉強をしてみることにしました。
今回紹介するのは村川裕二先生の『ほぼ初めての心電図:最初はここからはじまります』です。
タイトル通りですが【ほぼ初めて】がキーワードの医学書。個人的には心電図が少し好きになった人が対象だと思いました。それでは以下に紹介していきます。
『ほぼ初めての心電図:最初はここからはじまります』を看護師が読みました
タイトル通りですが【ほぼ初めての心電図】がキーワードです。なので【初めての心電図】の方向けではありません。
モニター心電図が読めるようになって、何故この波形が出るのか、もう少し詳しく学びたい。と言う方向けです。
そして様々な心電図医学書で学びを深めて、心電図の細かさに触れ過ぎた方にも是非おすすめです。心電図をわかりやすく相手に伝えるときのエッセンスが詰まっています。
大きく分けてコンテンツは3つです
大きなコンテンツとしては以下の3つです。これらのコンテンツを村川裕二先生が解説してくれます。
『ほぼ初めての心電図:最初はここからはじまります』の大項目
- 心臓の活動と電位
- 基本的な心電図の所見と異常
- 心電図を読む
メインとしては上記の①と②です。
最初の①です。割と心電図医学書あるあるですが・・・心臓の活動と電位の項目で心が折られることありますよね(経験者は語る)
この部分に関しては確かに難しいですし、完璧な理解に関しては私も正直自信がありません。それでも読んでいく内に理解した(つもり)ように思えてきます。
そして②です。基本的な心電図の所見と異常に関しては、村川裕二先生の心電図に対してのコラムを読んでいるようです。
下記で一部紹介させて頂きますが、心電図の理解に必要でない部分は切り捨てる。この辺は読んでいて為になります。
心電図は知識量勝負な部分もあります。それ故に相手に全て伝えるのが正解でない場合もあります。だからこそ学んだ知識をわかりやすく相手に伝えられるかは重要です。
心強い言葉『細かいことにはこだわらなくてOKです!』
こちらの本の表紙に書かれているありがたい御言葉です。
例えば心電図検定などで心電図を学び、右房負荷のP波、左房負荷のP波(僧房性P波)を知った方もいるはず。そうです、P波の形だけでも細かいのが心電図です。
肺性P波は「なんとかP波」という用語のなかで、まだ多少は意義が残っている用語です。
2021年 南江堂株式会社 村川裕二 『ほぼ初めての心電図:最初はここからはじまります』 P157 – 06 心電図から心臓の形がわかります より引用
上記を引用させて頂きましたが、村川裕二先生はそんな細かいP波の形についても「なんとかP波」という用語とバッサリ切り捨てます。
このような細かいこだわりを他にもバッサリと切り捨てていきます。
他に例を出すとU波については以下の通りです。
U波という用語を知っているだけで十分。U波の意味にこだわる必要はありません。
2021年 南江堂株式会社 村川裕二 『ほぼ初めての心電図:最初はここからはじまります』 P103 – 11 U波 より引用
知識としてのU波は必要かもしれませんが、臨床で看護師として働く分にはU波の意味にこだわる必要はないようです。
掲載場所・・・理解度チェックと心電図を読むコンテンツについて
楽しく読むことの出来る本書ですが、個人的に理解度チェックと心電図を読むコンテンツに関しては個人的には読み辛いと思いました。
読み辛いと感じる理由
- 理解度チェックについて。次頁に答えが掲載されていること
- 心電図を読むコンテンツ。解答解説が別頁に掲載されていること
まとめ。心電図に関する知識を増やしたい・心電図検定に活用したい方向け
細かいことにこだわらずとも必要最低限の知識は心電図判読には必須です。その部分に関してはこの医学書を読むだけでも十分得られます。
また今回の記事で紹介出来ていませんが、心電図検定で出題されるような単語の勉強にもなります。
個人的には電気軸の頁は求め方も含めて、数ある心電図医学書の中でもわかりやすいと思いました。
最後にこの医学書に関しては表紙に書いてある言葉通りです。
初めて学ぶ人&学びなおしたい人におくる。最高にシンプルでやさしい1冊
2021年 南江堂株式会社 村川裕二 『ほぼ初めての心電図:最初はここからはじまります』 表紙 より引用
心電図に興味を持ち始めた方・久々に心電図を学びなおしたい方。一度手にとって見てはいかがでしょうか。以上。まる(@maru02ns)でした。
ちなみに私の尊敬する築島先生のブログでコラムとして紹介されています。もし興味を持って頂けた方は、こちらも是非参考にしてみてください。
【コラム-120】:ほぼ初めての心電図 をおいしく読む方法 – Cardio2012のECGブログ-2019改